料理に関する話
なんと、私は料理が出来るようになった。
二、三ヶ月前まで、料理なんて絶対出来るようにならないと思い込んできたのに。
人生初めての料理経験は小学校三年生の頃のある週末だ。宿題の日記で何を書こうかと悩んでた時、炊飯器で卵を茹でて、それを日記にするのはいいかもしれない、とピンときた。やったことも見たこともないのに、なんでそれを思いついたのか、謎だ。勘で水を適当に入れて、炊飯機能で卵を3つ以上茹でて食べた。そして、その経緯を日記にした。
思ってもみなかったのは、それから何年間も家族に笑われたことだ。なんで炊飯器で卵を茹でただけで笑われなくちゃいけないのか今でもよくわからない。「食いしん坊すぎない?」、「炊飯器で卵を茹でるなんて電気代が勿体無いなぁ」と、母さんに時々言われていた。以上が、よくわからない理由で家族からバカにされる結果を招いた初の料理経験だ。
料理を作る道具と言えば、私はIHクッキングヒーターよりガスコンロのほうがずっと怖いと感じていて、ガスは爆発しやすそうだからできるだけ近づかないようにしている。社会人になってから住んできたいくつかのアパートは大体ガスコンロだったので、料理を始めるのが難しかった。
ちょっと神経質かもしれないけど、ガス配管があるだけでキッチンに入りたくすらなくなる。
だけど幸いにも今住んでいるアパートのキッチンにはガス配管がない。2019年9月から入居したけど、料理を作るためにIHクッキングヒーターを購入したのは2020年の年始だ。その時はコロナの感染拡大に従って出前を提供する店の数が急激に減って、自炊しないと毎日同じ物を食べるしかなくなるという厳しい状況だった。
そこで、二ヶ月にわたって自炊の試練を少し受けてみることにした。でも、野菜を入れたお粥とか、まずいラーメンしか作れなかった。それ以降も、トウモロコシや野菜を茹でるぐらいの軽い料理しか作らなかった。
2021年になって、春に腫瘤摘出の手術を受けた私は健康づくりが前よりも気になるようになった。腫瘤が出来たのはきっとこの二年間の不健康な食習慣が起因していると思う。油っぽい出前を食べすぎたせいだろう、とそれからは出前を少し控えた。それでも体にはまだまだ異変が出てくる。このままずっと出前ばかり食べていると絶対いつかまた新たな瘤が出てくるに違いない、と食事に不安を抱きながら秋になって、ネット上では「レストランのキッチンの秘密」というスレッドが話題になっていた。出前は非常に不衛生で雑なやり方で作っているという事実をそこで知って、やっぱり自炊しないといけないなと覚悟した。
というわけで、食欲の秋に入ってから、私は正真正銘 料理のできる人間になるために頑張り始めた。でも思ってたよりずっと簡単で、自分でもこんなに美味しい料理ができるなんて思ってもいなかった。二ヶ月の努力で今はもう10種類以上の料理が上手くできるようになった。ちょっと苦手なのは、ブロックの生肉を触ったり切ったりする下準備だ。生臭さが嫌でしょうがない。今のところの解決策は、一口サイズにカットされた肉を買うことだ。先週末はスイーツにも挑戦してみて大成功だった。これからも美味しい料理を作りながら幸せな人生を送っていきたい!
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